変な気分
かなり変な気分である。
まだ下腹部は痛むが
日に日に回復しているようで身体は動く。
なにが変か。
もしかして手術中に向こうの光の世界?に
行きはしないかと半ば本気で期待していたが、
それはなかった。
意識が消えていた時間は時間も消えていて、
意識が戻ったときは、
手術が済んだことも記憶がなく、
いきなり病室のベッドだった。
なので手術台からベッドに移すとき、
テレビドラマで見るように
何人かで私の体を持ち上げ
「1.2.3」のかけ声で移したのだろう。
そのあと手術室はたしか2階だったから
エレベーターで6階の病室まで運んだのだ。
まったく無意識の自分が
ベッドに寝かされたまま
手際よく廊下を移動する姿を想像すると、
それこそ自分は空中浮遊しているかのような
錯覚をしてしまう。
意識のない肉体。
その肉体をのぞき込んでいる自分。
あり得ないことではない。
変な気分になってしまった。
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