日本はなぜ敗れるのか





山本七平の「日本はなぜ敗れるのか」を読んだ。




平成16年の初版で15年前の本だが




太平洋戦争当時の日本の意識がどうだったか、




小松真一という技術担当軍属の人が書いた




「虜人日記」にある敗因21ヶ条をもとに




自分の体験を加味しながら分析してあった。




自分の考え方にも旧態依然の共通点があって




かなりシビアに読んだ。 










●台湾とフィリピンの間にバシー海峡と呼ばれる海峡があるが、




軍部は兵員を家畜同様に身動きできないまでに積み込み




無防備に近い輸送船団を南方に送り込もうとするが、




既に制海権は米軍にあり潜水艦で繰り返し撃沈される。




にもかかわらず、無為無策にこの作戦を続け、




10万~26万という犠牲者を出した。




したがって兵員は輸送船に乗せられることは




死を意味することだと戦意を無くしていた。




●員数主義(数合わせ)が横行して実態がないにもかかわらず




それを作戦の基盤とした。




したがって精兵主義を謳いながら




実際は武器のない員数だけの兵隊で戦わせられた。




●精神的に弱かった。




大和魂と言っても弾薬もなく食料もない状況では




普段指導している幹部から指揮官らしからぬ態度をとってしまい組織が崩れてしまった。




●人命を粗末にした。




●そもそも戦争目的が明快でなく、




行き当たりばったりで走ってしまった。




思想だけが走って現実を無視してしまった。




著者はこのことは明治維新時の西南戦争から




その傾向があるとし、




現在の日本にも警鐘を叩いている。




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