俺が!
人間とは本当に傲慢なものである。
第一に「俺が俺が」と威張っておいて、
その俺自身の身体を自分で作ったわけではない。
親から貰ったかと言うと親が
「眉はこんなに、眼はこんなに、脳細胞は多めに」
と作ったわけでもない。
寝ている間もしっかり心臓は動いてくれて
肺も呼吸してくれている。
朝、起きたら窓が見えて朝日が見える。
「俺が俺が」以前の自分自身の存在が
俺以外の者から作られていたことすら自覚していないのだ。
これ以上の傲慢さはない。
地球が確かに丸いと分かったのはつい5百年ほど前で
これがぽっかり宇宙に浮かんでいる姿を見たのは
やっと60年ほど前だ。
その地球上に生きている人間は何の疑問もなく
当然のごとく住んでいる。
古代の人たちが天に感謝して
祈りを捧げる気持ちが本当の人間のような気がしてくる。
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