高市内閣
高市内閣の動きには、どこか胸騒ぎを覚えるようになった。 防衛費の増額、反撃能力の強化、武器輸出の拡大。 抑止力という言葉は力強いが、 その裏側にある現実を、 私たちはどこまで想像できているだろうか。 自衛隊在籍中、 沖縄復帰前の戦跡研修で目にしたのは、 今は何でもない畑や集落が激戦地だったという事実だった。 穏やかな風景が一瞬で戦場に変わる怖さ。 そこには当時の国民の感情論や、 あいまいな情報に基づく作戦行動が積み重なっていた。 イラク戦争では自衛隊が後方支援にあたったが、 帰国後に三十名もの自殺者が出たと聞く。 直接戦闘でなくとも、心は深く傷つく。 まして実戦となればどうか。 装備を整えることと、 戦争に耐えうる社会をつくることは別問題だ。 軍備拡大の議論こそ、感情ではなく、 歴史の重みと人の命の現実に立ち返り、 静かな警戒心をもって見つめ続けなければならないと思う。