補助金の功罪
新規の顧問先から 「今の税理 士は補助金をやってくれない んですよ」 と相談を受けるこ とがある。 補助金は人気だ。 う まく採択されれば資金が入り、 設備も更新できる。 いわば“経営の追い風”であり、 できれば何度でも受けたい、というのが本音だろう。 当事務所でも申請支援は行っているが、 そこでいつも感じるのは 「それで本当に体質は変わるのか」という点だ。 補助金は確かに効く。 だが、それは例えるなら栄養ドリンクのようなもの。 飲めば元気にはなるが、 それだけで体が強くなるわけではない。 補助金ありきの投資が続くと、 「次も何かないか」と探す癖がつく。 気づけば補助金探しが本業のようになり、 肝心の営業や商品力の強化が後回しになることもある。 それでは本末転倒だ。 重要なのは、補助金を“目的”にしないこと。 投資の後にどう稼ぐか、どう回すか、 その設計こそが経営の本質である。 補助金はスタートの号砲は鳴らしてくれるが、 ゴールテープは用意してくれない。 結局、本当の勝負は補助事業が終わった後に始まる。 静かに日常へ戻ったとき、自力で走れるかどうか。 そこに企業の真価が問われている。