チッチなう

 

黒猫チッチは元気である。





足の傷も赤みが消え、






すっかり治ったようだ。




どこをねぐらにしているか分からないが、




毎日エサを求めて出勤してくる。




車を止めエンジンを切ると




フェンスから飛び出してくるか




倉庫側からすり寄ってくるか、




どっちにしても遠巻きにしながらも




最後は足下にすり寄ってくる。




先日、家内が吉原橋から上にあがる




工事現場付近で見かけたと言ったが、




その付近にねぐらがあるのだろうか。




もしそうならかなりの距離である。




今、事務所の壁の塗装中であるが、




ちょっとの物音で逃げようとする。




フジ夫の時はこれほどではなかった。




部屋の中で餌を食べるころにはビクビクせず、




むしろ隙があれば居座ろうとして




書棚に潜り込んでいた。




ダッコも拒否せず、のどを鳴らしていた。




いまだにチッチはダッコをさせてくれない。




襟首をつかんで腕の中に




抱えようとするが放せと、もがく。




「エサは貰っても心は許さない!」




ということなのだ。




首輪の「うちの猫」宣言も片思いなのである。








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