春雷

日曜日の夕方、突然雷が鳴った。

まさか北朝鮮のミサイルでもないがペキニーズの大輔にとってそれほどの脅威になっている。

家内の腕に抱かれて

「大輔が私から離れないとよ」

と部屋に入ってきた。

「抱いてくれってせがむと。一人になりきらんと。雷がこわいと」

先月、自走式掃除機のルンバを貰ったので試運転しようとしたとき、

大輔が好奇心で鼻を近づけたら急に動き出したので驚いて20センチほど垂直に跳び上がったそうだ。

それ以来ルンバは充電器に収まって動いていない。

「犬らしくない犬、人に抱かれることを嫌い、気位が高く恐れを知らない」

とネットで調べるとそう書いてある。

大輔の場合、確かにそうであるが、そうでないところもある。

よその犬に対してはなるほど敵対心があるが人間に対しては愛想が良い。

触れるのが嫌いではなく抱かれるのを嫌がらない。

気位は高いが得体の知れないものには臆病である。今6歳。









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