「しろ」の正体
お隣の奥様とフェンス越しに目が合ってご挨拶したら、
「白い猫がお邪魔してくるでしょ」と話しかけてこられた。
この白猫はあたりかまわずニャアニャア大声で鳴くので、
あわててエサをやっていたのだが、
てっきり怒られると思ったら
「あの猫はうちの本家の猫ですばい。
すんませんね、ご迷惑ばおかけして」
と頭を下げられた。飼い猫だったのだ。
「名前はなんですか」
「ゆずです。だいぶ歳を取ってると思いますよ」
しろと呼んでいたが、ゆずだった。
似合わないと思ったが、
小さい頃は可愛かったのだろう。
歯が上下1本づつしかない。
尻尾は先っちょがかぎ型になっていて傘の柄状態である。
最近はしっかり朝夕、餌をねだりにやってくる。
昨日はあまりにも毛が抜けるのでブラッシングしてやった。
ずっしりと重いが抱っこさせてくれる。
でも大丈夫、タヌ子が一番だからね。
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