たぬこと栄吉
「えっ!どうかしたのか」と不吉な予感が走る。
毎日欠かさず「おそい!」と言って走ってくるのに、
ある時は空調機の室外機の上からボテッと降りてきたり、
如来様の横からススッと走ってきたり、
止まるべきスペースでじっと待っていたりするのが、
今日はまったく静かで誰もいない。
よもやと思いつつ
ツツジの植え込みの中に作ってあるネグラの中を
おそるおそる覗きこんだとたん、
脱兎のごとく飛び出したのが「栄吉」であった。
「しまった栄吉にネグラをのっとられたか」
と思った瞬間「にゃあ!」と奥から「たぬこ」が顔を出した。
なんと狭いだろうにネグラの中で一緒に寝ていたのだ。
たしかに仲が良いと言えばけんかもせず
一緒にご飯を食べるしひなたぼっこもする。
どういう関係かは分からぬが雄と雌なので一応、
栄吉はたぬこの彼氏と言うことになっている。
なので触らしてもくれないが栄吉にも
「どうぞ」といって餌をやっているし
時にはチャオチュールもサービスしている。
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