タヌ子のねぐら掃除

 




一週間がたつのは早い。




年を取るごとに早く感じる。




週日は週末が来ないかなと思うが来てしまうと




すぐ過ぎてしまう。




それほど貴重な週末は何をしているかというと




実は何もしていない。




やらねばと思うことは10件はすぐあげられるが、




なぜかやりたくない。




ただ絶対にやらないといけないのがタヌ子の餌だ。




これがため週末はおろか、正月も出社する。




せっかく出社したからなにをするかというと




柱の傷塗りだのトイレの便器磨きだの




ドアのきしみのオイル塗りだの駐車場の草取りだの、




やっぱりじいさんのやりそうなことをやっている。




この週末はタヌ子が鼻水を出していたようなので、




ねぐらの掃除をした。




垣根の中から取りだして断熱板を洗った。




まだ本格的に寒くはないので




代わりに猫用ベッドの屋根を折り曲げて秋用ネグラとした。








翌日見てみるとちゃんと寝ていた。




小さな厚紙を立てておいて、




それが倒れていると中に入ったというサインになるのだ。




誕生日もわからない野良猫あがりのタヌ子だが




15歳と獣医から推定されて人間なら76歳というから、




2歳年上の恋人ということになる。




長生きしてね。






ふたりでピンピンコロリしようね。






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