チッチ なう2
下の娘がチッチに会いたい
というので土曜日の夕方、
彼女を事務所に連れて行った。
チッチはしっかり裏ドアの前で待っていた。
事務所内に招き入れ、ステンレスのエサ皿に
キャットフードと猫缶の魚フレークを混ぜて床に置くと、
警戒しながらもおずおずと近寄ってきた。
娘は直接、エサを手から食べさせようと
地べたに死んだフリをして
手を差し伸べじっと待っていたが
エサ皿の続きだと勘違いしたのか
ついに直接手からエサを食べた。
「くすぐったい。チッチかわいい」
と高周波の鼻声で娘が言った。
いつも猫パンチではねのけられている
父としてはなんとも面白くないが
床とはいえ地面に死んだフリしてまで
エサをやるほど猫に媚びたくはない。
とは云え、はやいとこ、さわれるようにならないと
繁殖期との兼ね合いで問題が
複雑にならないとも限らない。
4,5匹子猫をつれてきたらどうする。
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