チッチ あれから

 


動物病院から捕獲用のオリを借りた。




病院によれば、




この中に入れて連れてくれば、




あとは当方で麻酔をかけて




避妊手術なり予防注射なり健康診断なりが




できるとのことであった。




早速、そのごつい鉄製のオリを借りてきた。




上からも横からも入れることが出来ます。




閉め方はこうです、




と若い看護士さんから指導を受けた。




あとで思えば、その時、




大きな虫取り網を考えれば良かった。




教わったとおり、オリの中に餌皿を入れて




チッチが入ったところで




入口を閉める作戦を立てた。




翌朝、何度かの予行演習を済ませ、




彼女が来るのを待った。




もちろん裏口を開け、




そこからオリまで点々とキャットフードを置いて




ゴールの餌皿はオリの奥である。




はたして定時になって彼女はキチンとやってきた。




いつもと変わりなく部屋の中に入ってきたが、




ハタとオリの入口で止まった。




そらそうだろうゴツイ黒光りの鉄格子のオリだ。




これを何度か繰り返した。




その度にエサを点々と置き直し、




辛抱を重ねたとき、




そんなに言うんだったらと思ったかどうか、




おずおずと中に入ってくれた。




はやる心を抑え、すっとオリに近寄り、




入口の鉄格子を閉めようとした瞬間、




チッチの身体が挟まり電光石火、




風のごとく走り去ってしまった。




以来、彼女を見かけない。




エサ皿は朝夕置いているが




顔を合わせたくないのか時間を



ずらして食べにきているのだろう、




この2日、姿を見ていない。









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