父の日

 


久しぶりに家内のショッピングに付き合った。




たまにはアッシー君もいいかと思ったのだ。




日曜日のゆめタウンは




まるでお正月の繁華街のような賑わいである。




若いカップルはにこにこと笑顔いっぱい、




中年夫婦はそれぞれが




違う方向を見て




前と後に歩いている。



奥様がだいたい前である。



我が家では家内が私の腕につかまって歩く。




たいてい




「仲がおよろしいですね」




と言われるが、




長女の出産の後、




髄膜炎を患って生死をさまよい、




その後遺症のため



平衡感覚がなくなったからである。




食料品での買い物が終わって



駐車場へ戻る途中、



ジョージアの自動販売機のある休憩所に寄った。




コーヒーを飲みながら




「そう、あなたにぴったりの




鞄を探してあったのよ。




この店よ。



ちょうど良かった。




あなた欲しいと言ってたでしょ」




そこですぐ前の店につれられていって、




いくつかの鞄をチェックしてみた。




財布やスマホ、鍵が




スッと出せて収納がたくさんある鞄が良いのだ。




「これはどう、あそこにもあるけど」



という彼女の仕草に



「チチノヒ」




の文字がちらついた。


                            




「ちょっと高いな」




「年を取ったら良いものを大事に使うのがいいのよ」




と言う言葉に誘われて




「じゃこれにしようか」




と店員さんと一緒にレジにいったら




自分一人がレジの前に立っていて、




彼女は別のウィンドウを見ていた。




そうよね、俺は彼女の父親じゃないものね。




それにどうせお金の行き先は一緒だし・・・




と思い直した。









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