晴太 初孫

 




晴太が帰ってきた。









といっても初めて母親の実家に訪れたのだから




「晴太が来た」というのが正しいのだろう。




だけど心理的には帰るべきところに帰ってきたのだから




「晴太がやっと帰ってきた」という気持ちになっていた。




母子ともに生死がぎりぎりというところで




帝王切開で出産したのが4月17日。




体重700g。




500g未満を低出体重児というのであるから




700gは1500g未満の極低出生児を飛び越えて




超低出生体重児というらしい。




直ちに新生児集中治療室に入れられて




娘夫婦以外は面接禁止となった。




以来6か月、彼女たちから送られてくるシャメルでの状況に




一喜一憂しながらのじいさまとばあさまであった。




帰ってくる日、婿殿のご両親もおいでになり




初めてのご対面、お母様もお父様も初孫を抱っこされた。




婿殿が用意したお寿司をほおばりながら




娘夫婦とそれぞれの両親が語り合ったが、




晴太とこの6人は血がつながっているという




なんとも不思議な縁を感じた。




そして今朝、私は普段は4時半起床なのだが、




ぐっすり6時まで熟睡、




家内は晴太の泣き声で寝不足と嘆いた。




我が家は当分の間、晴太中心の生活となるだろう。






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