はちお元気か!
はちおロスである。 もう昨年の夏か ら彼の顔を見ていない。 先週、思い 切って彼の実家に チャオチュール4 0本セットと キャットフードを2袋 抱えて会いに行った。 ベルを押すと 奥様が出てこられ、 お顔を拝したと たん、 ああ、この奥さんだったと懐 かしさが湧き出た。 「そこのフジ経理センターでございます。 モカ君はお元気でしょうか?」と、一気に言った。 事務所でははちおだが、 彼の実家ではモカ君で、 あくまでも彼の家はココであり、 フジ経理センターは単なる訪問先のひとつなのだ。 一瞬遠い昔、憧れの女子の家を訪れて 切ない恋心をさらしている甘酸っぱい感覚を思い出した。 「あ~はい、今モカはこたつの中にはいってると思います。 つれてきますね。」 奥様はあたふたと奥の部屋にいかれて、 すぐ、はちおを胸に抱っこして出てこられた。 はちおはいつものむっとした無表情で抱っこされていた。 思わず手を差し伸べたとたん 廊下に跳び下りて逃げようとした。 「おじちゃんたい。ほらおじちゃんたい」思わず叫んだ。 事務所であれば「お父ちゃんたい」というところだが 瞬間他人さまの飼い猫であるケジメを思い出して そう言ったのである。 改めて抱っこして 彼のずっしり感とあわい香りをしっかり確かめて、 次があるかどうかも考えずに帰ってきた。 せつないんだよな。