初お目見え





近くに建った新築の家から




ときどき出没する三毛猫がいると、




家内から聞いていたのだが、




昨日初めて出会った。




大輔と夕方の散歩に行くというので一緒について行ったら、




道の向こうからトコトコと歩道に寄って来るではないか。




きれいな三毛猫でスラッとした




細めのスタイルの良いネコである。








タヌ子のデカ腹とはちがう。




家内が「リンちゃん、いたのね」というと




歩道にあがってすり寄ってくる。

「大輔のリード、持ってて」と




わたしにリードを渡して




リンちゃん、リンちゃん」と身体を撫でまわす。




しばらくして「はい、あなたも触りたいでしょ」と




交代してくれた。




毛並みが柔らかく、撫でると手触りが心地よい。




お上品に育っているという感じだ。




偶然、その家の奥様が帰って来られて




「いつもすみません」とご挨拶された。




保育園を経営されて今大変なのだそうだ。




もう一匹いて、




これが栄吉そっくりの八割れで「むぎ」というのだそうだ。








この「むぎ」にはまだ会っていない。




「脱走させてご迷惑おかけします」とおっしゃるが、





「どうぞ、しょっちゅう脱走させて下さい」と




言いたかったが、言わなかった。






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