GW

 ゴールデンウィークがやってくる。






世間は遠出の支度に忙しいが、

こちらは例年どおり

「業務未処理案件一掃作戦」を発令する。

計画は勇ましく、紙の上では完勝である。

もっとも現実は、だいたい判定負け、

よくて引き分けと相場が決まっている。

大阪から長女が帰ってくる。

仕事に疲れた顔も、

定番の焼肉屋に入ると指揮官の顔に変わる。

席順、注文、焼きの進行――すべて長女の差配である。

私はといえば、たれ皿に載せられた肉を

淡々と口に運ぶ係だ。

焼き加減も部位も任せきり、

それでも皿は過不足なく満たされる。

見事な分業である。

子どもたちが幼かった頃、

行き先は長崎や宮崎あたりの近場だった。

車内ではささいなことで喧嘩が起き、

家内が叱咤激励の号令をかける。

目的地に着く頃には誰もが少し不機嫌で、

それでも宿に入ればいつの間にか笑っていた。

あの騒がしさこそが、

旅の本体だったのかもしれない。

そんな話をすると、

「過去の栄光は捨てよ」と一蹴される。

なるほど、家庭内の歴史は容赦がない。

さて今年も似たような連休になるのだろう。

私は仕事の項目を書き出しながら、

その半分が終われば上出来と見積もっている。

たれ皿に載る肉のように、

物事は何かの差配でほどよく回る。

そう思えば、この連休も悪くはないか。


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