複式簿記の原点
「この帳合之法(ちょうあいのほう)の原書は
1871年アメリカ商業学校の先生・ブライアントと
スクラットンの二人が書いた学校用
『ブックキーピング』という本である。
ブックキーピングとは帳合のことである」
という書き出しで始まる「帳合之法」は
福沢諭吉が明治6年(1873年)から
翌7年まで全4巻で発刊した
おそらく日本で最初の簿記の教科書であろう。
「日本においては学者は必ず貧乏であり。
金持ちは必ず無学である。
この実学を学べば学者も金持ちとなり、
金持ちも学者となり、
世の経済活動が更に面目を改め、
国力が増進することとなろう。
訳者(福沢)が深く願うところである」
「今この『帳合の法』を翻訳したのは私が
人々に学問の道を進め、商業、工業に向かって
独立の志を起こさせようとすることが本意である」
会計に関わる者として
簿記を単なる作業技術としてではなく、
そこから導き出される本質的な意味を感じ取っていかなければ
福沢諭吉の意を理解したとは言えない。
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