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猫たちの墓標

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 書く題材がどうしても思いつ かない日がある。 そんなとき、 私は猫たちに助けてもらう。 生きている猫だけではない。 昔、事務所にいてくれた三匹 も、 いまもなお立派な「執筆 協力者」である。 三匹は、事 務所の駐車場の隅に立つ観音様の足元で眠っている。 そこに小さなお墓を置き、勤行と称して手を合わせてきた。 ところが雨にも負け、風にも負け、 熊本の強い日差しにも負けて、 ずいぶんぼろぼろになってしまった。 そこで新調したのが写真のお墓である。 黒い台座に写真と名前と、ひと言そえてあり、 なかなか立派な仕上がりで、私は大いに気に入っている。 ところが説明をよく見ると「室内用」とある。 なるほど、雨ざらしではまたも廃棄処分になりかねない。 そこで今は、三つ仲良く応接室の窓際に並んでいる。 来客を迎える役まで引き受けてもらった格好だ。 とはいえ、やはり眠っている観音様の足元に置いてやりたい。 適当な大きさの箱に入れ、 雨風をしのげるようにしたらどうだろう、と考えている。 試しにセカンドストリートで一つ買ってみたが、 どうもしっくりこない。 生前、猫達の家にも工夫していたが、 猫のお墓の家にもやっぱり注文が多くなる。 三匹もきっと観音様の足元で、 「あたしたちはどうでもいいんだけど」 と笑っていることだろう。