ウクライナ
陸上自衛隊にいたころ幹部候補生学校の研修の一環として
沖縄戦での各地の戦跡を訪れたことがある。
50年も前のことであるが印象に残っているのが
普通の見慣れた風景が突然、
戦場になっているということである。
戦場というが戦後の人間にとって
どんな状況が戦場なのか分からない。
演習で敵の戦車攻撃から陣地防御する小銃小隊を
経験したことがある。
演習であっても数台の戦車が迫ってくる地響きと
スピード感は圧倒的で、どうしようもない無力感に陥った。
実弾を使った機関銃手も経験したが、
たった10mほど進むのに全神経と全体力を使って、
訓練が終わったら身も心もぼろぼろになっていた。
敵からの射撃が空砲である演習でも
こんな状態だから実弾が飛び交う実戦では
私だったら気が狂わないと戦場におれない。
アフガンにしてもイラクにしても
数日前からのウクライナにしても
戦いを命じる政治家にまず戦場に立ってもらいたい。
実際に傷つくのは普通の生身の人間であり、
普通のなんでもない町が戦場になっていることを
身をもって知っておいてもらいたい。
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