どんぶり大王
先週の日曜日、山鹿の八千代座へ出かけた。
熊本のおやじバンド「どんぶり大王」の公演を見に来ないかと、
いつもカラオケ大会を開いてくれるWさんから
声をかけられたのである。
三十一周年だという。
写真を見ると、派手なかつらに奇抜な衣装、
まるで昭和の祭りがそのまま舞台に飛び出してきたようだ。
しかし演奏が始まると、
そんな見た目の可笑しさは吹き飛ぶ。
普段はそれぞれ仕事を持つ人たちが、
ひとたび集まれば立派なエンターテイナーになる。
大音量の演奏に歌声、踊り。
客席へ降りてきて握手をしながら歌うサービス精神におおいに盛り上がった。
八千代座は中高年の観客で満杯だった。
みな若い頃に戻ったような顔で手拍子を送り、笑い、声援を飛ばす。
歳を重ねると元気がなくなるなどというのは嘘だな、
と妙に感心した。
そしてその夜、次女と家内がテレビの前で盛り上がった。
部屋の灯りは消され、
映っているのは「嵐」の東京最終ライブ。
「これとおんなじ、私が見てきた福岡ライブ」
ペンライトを振りながら歓声を上げている。
昼は「どんぶり大王」、夜は「嵐」。
世代も舞台も違うが、人が夢中になる姿はよく似ている。
人生を楽しむ秘訣とは、
案外こういうところにあるのかもしれない。
もっとも私はというと、
昼の大音量で少々耳が疲れ、
ふたりの熱狂をあとに自分の部屋で
ひとり風呂上りの麦茶をすすったのである。

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