タヌ子なう
タヌ子は元気になった。
今までの10倍ものセレブご飯を食べて、
何事もなく過ごしている。
昨日、妙に優しい声でニャアと鳴くので、
どうしたのかと事務の手を止めて
ソファに座っている彼女を見ると、
小さな雀を足下に置いてニャアと鳴いた。
「これ捕まえた。あげる」と言うのであろうか。
あわててティッシュをとって小雀をまるめ、
2坪畑に埋めた。あんな優しい声は聞いたことがない。
「たべる?」恋人からアイスをもらった気分になりたい。
そういえば今の彼女のセレブエサ茶碗は
私の福猫のご飯茶碗になっている。
福を持ってきて欲しいという願いは小雀になってしまった。
満足した顔の彼女はカマクラで
ゆっくり昼下がりを楽しんでいる。
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